2014.11.09

サウンドブランディングの活用と手順

音を利用したブランディングが注目され、マーケティング活動に取り入れる事によって業績を伸ばしている企業や店舗も少なくない。その傾向は欧州の企業においては常識となりつつある。

しかし音を利用したブランディング、いわゆるサウンドブランディングがどのようなもので、効果があるものなのかと感じている方も多いのではないだろうか。

結論から言うと音を利用したブランディングには効果があり、大手企業だけでなく店舗、小売空間、会議室や静止画にまで至るあらゆるシーンで活用される。ここではブランディングのためのサウンドデザインの方法をご紹介する。

1. サウンドブランディングを知る

まずブランディングのためのサウンドデザインを行うには、サウンドブランディングについての理解が必要となる。少なくとも以下3つのポイントはおさえておきたい。

1−1. サウンドブランディングとは

サウンドブランディングという単語は、現在の辞書には掲載されていない。少しずつ世の中に浸透してきている新しいマーケティングの概念だ。

言葉の通り、音や音楽を利用し、組織や商品に対する共感や信頼を顧客にとって価値の高いものとしていく事である。

サウンドブランディングを行うことができる対象は多岐に渡り、組織であれば企業や団体、小売空間であれば飲食店やショッピングセンター、製品であれば雑貨や食品など挙げれば限りはない。音を利用し、対象となる事物のブランディングを後押しする。

1−2. サウンドブランディングは非言語領域を中心としたマーケティング手法である

近年、マーケティングの世界では非言語領域の重要さが認識され始めている。これは、経済成長したことで物が充実し、顧客が求める具体的なニーズがなくなりつつあるという考えに基づいている。

客観的なニーズが合理的なデータであるという考えから、様々な調査手法を駆使し顧客の声を中心にビジネスを展開する事がマーケティングの本質であると捉えられてきたものの、もはや顧客に問いかけても何の手がかりも得られないといった状況になりつつある。

表面的なニーズに応える時代は収束を迎え、人々は顕在化できる領域を超えた潜在的な成長を求める過渡期に来ている。

1−3. 非言語領域の重要さ

ハーバードビジネススクール ジェラルド・ザルトマン名誉教授によると、人間は頭の中にあることのうちの5%しか言語化できず、残りの95%は無意識下に置かれたままになっており、日常的な行動のほとんどを無意識の深層意識で行っている。

先に述べたように、既存の定量調査データからでは本質的なニーズに切り込むことは難しくなってきているため、この非言語領域へのアプローチが効果的だということが広まりつつある。

非言語領域に作用する音や音楽を利用したマーケティングはまさにこれからの時代、積極的にに行われるべきマーケティング手法なのだ。

 

 2. 設計するべき効果を具体的に把握する

あなたが顧客へ与えたい印象をよく考える事が重要となる。

そのためにはブランディングの対象となるものが本来もっている役割や、あなたが投げかけたい理念をきちんと抽出する必要がある。サウンドデザインはその抽出された部分をより強烈にするために行われる。

適当に好みの音楽を流してはいけない。

 

3. 共鳴現象を意識する

音や音楽の持つ印象を、その他の五感から入ってくる印象と同じベクトルに揃えることで、より強烈な印象を与えることができ、これを専門用語で共鳴現象という。

ブランディングしたいものが明るい印象のものであるならば、同じ明るい印象のベクトルを持つサウンドのデザインを行う。あたなの理念やその他のマーケティング戦略と照らし合わせ、どういった種類の明るさであるのかをより深めることが大事だ。

例えばおいしい高級料理店であるならば顧客の楽しみの中心は料理であり、その料理のもつ高級な上質さだったり落ち着いた雰囲気を共鳴させるためのサウンドデザインを行う。

 

4. 個人差を配慮する

経験により音や音楽の持つ印象は人によって大なり小なり事なる。性別や年齢、国籍による違いもそうだが、育った環境によっても異なってくる。

あなたの顧客がどういった個人差をもった人達なのかを注意深く把握し、共鳴させるベクトルを決定しよう。

 

5. 音の出し方について適切な方法を考える

最後に、音をどのように出すかのデザインを行う。

どんなに良いベクトルのサウンドが決定できたとしても、顧客に適切な形で音を届ける事ができなければ効果は薄れ、場合によっては逆効果ともなりうる。

サウンドデザインにおいて特に気をつけなければならない音の出し方は、音量、音質、音の鳴る位置だ。音は大きすぎず小さすぎず、付与したいベクトルに対し適切なクオリティとなる音響システムをセレクトし、最大限に効果を発揮できる位置から音を鳴らす。

 

まずは音や音楽の重要性をあなた自身が理解する事が大事である。私たちの一日の中で音がない瞬間は無い。仕事中、移動中、寝ているときでさえあなたの耳に音は入ってくる。そしてそれらがどんなにあなたの心と行動に影響を与えているか、少し考えてみてはいかがだろうか。

目的を持って適切に作られた音や音楽が、どれだけ私たちの生活を豊かなものにしてくれるか、感じていただけるはずだ。

そしてサウンドによるブランディングを行うのならば、あなたが自信をもって伝えたい物を、その他の五感と調和し、最大限に伝えるサウンドを作成することに集中しよう。

 

執筆 nooto SOUND DESIGN(ノオト サウンドデザイン) 澤田真吾
http://www.nooto-sound.jp/